【必見】Overleafの使い方(日本語入力も解説・bibファイル)
- Overleafが超便利って聞いたけど、理由が知りたい!
- Overleafで日本語を入力をしたい…
- Overleafでbibファイルやstyファイルを使用したい!
本記事ではその悩みを解決していきます。
結論ですが、Overleafを使用することで、複雑なLaTeXの環境構築が不要になります!!
それだけでなく、複数人による共同編集やリアルタイムプレビューが可能になります!
リアルタイムプレビューは、コードのコンパイル結果がすぐに見れるため、作業効率が爆上がりします。
本記事では、Overleafの登録方法・使い方を可能な限り画像を使用して解説します。
また、日本語設定やsty・bibファイルの使用方法も詳しく説明します!
本記事を読み終えると、これまでとは比較にならないスピードでTexの文章作成が進みます!
Overleafについて
Overleafとは、クラウド上で使用できるオンラインLatexエディターです。
Overleafのメリットは以下の6つです。
- 複雑な環境構築が不要
- クラウド上にファイルを補完できる
- リアルタイムプレビューが使用できる
- 複数人で共同編集できる
- 差分を管理してくれる
- 豊富なテンプレートが存在する
- パッケージのダウンロードが不要
意外とLaTeXの環境構築は煩雑で多くの人が苦戦します。
しかし、overleafを使用すれば誰でも簡単に環境構築が完了します!
また、クラウド上にファイルを保存できたり、リアルタイムでプレビューできるのも最高です。
また、通常のLatexでは使いたいパッケージをダウンロードして、色々な設定を行う必要がありますが、Overleafでは既に4000個以上のパッケージが利用でき、『\usepackage
』を利用して読み込むことができます。
Overleafの登録方法
最初に、Overleafの登録方法を紹介していきます。
既にOverleafを登録済みの方は読み飛ばしてください。
-
STEP01ログイン画面にアクセス
下記のボタンから登録画面にアクセスしてください。
-
STEP02アカウント登録
Googleアカウント等で登録ができるので、登録を済ませてください。
すでに登録したことがある方は、ログインをクリックしてください。
これだけで、Latexを使用する準備が整います!
Overleafのプロジェクト作成
基本的に、Overleafはプロジェクト単位で共有をおこないます。
また、実際に使用する際は、『プロジェクト = 一つのタスク』と考えてください。
これまで説明した流れに従って、登録を済ませると、以下のような画面が表示されます。
『Creat First Project』→ 『空のプロジェクト』をクリックし、適当なプロジェクト名を入力してプロジェクトを作成してください。
プロジェクトを作成すると、デフォルトで以下のサンプルファイルが作成されています。
\documentclass{article}
\usepackage[utf8]{inputenc}
\title{sample}
\author{galileo}
\date{date}
\begin{document}
\maketitle
\section{Introduction}
\end{document}
しかし、このままでは日本語を使用することができません…
そのため、この後は日本語を使用できるように設定していきます!(設定と言っても複雑ではないので安心してください)
Overleafのコンパイル方法・コンパイラの設定
ここからは、overleafでtexファイルをコンパイルする方法やコンパイラの設定方法を簡単に説明します。
LaTeXにあまり詳しくない読者の方は、コンパイラの設定を読み飛ばして、『Overleafで日本語を使用しよう!』まで読み飛ばしてください。
overleafのコンパイル方法
最初にtexファイルをコンパイルする方法を確認しましょう。
コンパイルは、OSによって異なり以下の通りです。
- Mac : ⌘ + S
- それ以外 : Ctrl + S
また、GUI(マウス操作)でもコンパイルを行うこともできます。
GUI(マウス操作)の場合は、画面上部の『リコンパイル』をクリックしてください。
コンパイラの変更|LaTexに慣れていない方は読み飛ばしてもOK
次に、『自分が使いやすいコンパイラを選びたい!』という方のために、コンパイラの設定方法を説明します。
まず、エディタの左上の『Menu』をクリックしてください。
その中の、『コンパイラ』をクリックしてください。
以下の種類のコンパイラを使用することができます。
pdfLaTex | 海外で主流のコンパイラ |
---|---|
XeLaTex | OSにインストールされているフォントをそのまま利用可 |
LuaLaTex | pdfLatexを拡張したもの |
LaTex | 通常のLatexコンパイラ |
読んでいる方々が普段使用しているコンパイラを使用してください。
LaTeXのエンジンの種類を簡単に説明します。
大きく分けてLaTeXには以下の種類があります。
- pdfLaTeX
- XeLaTeX
- LuaLaTeX
- pLaTeX
- upLaTeX
最初の①〜③は、PDFファイルを直接出力するタイプで、最後の④, ⑤は、DVIファイルを出力するタイプです。そして、DVIファイルからPDFファイルへの変換には、以下の二種類が使用されることが多いです。
- dvips
- dvipdfmx
この二つの大きな違いは、dvipsでは外部ファイルにEPS形式しか使えないという点があります。
どれを使用するかによってコードの書き方が異なってくるので、自分が使用している環境を認知しておくことは大切です。
Overleafで日本語を使用しよう!
ここからは、『コンパイラとかわからん…』という方のためにLaTexコンパイラ(より詳しく説明すると、platex+dvipdfmx)を使用して日本語入力を可能な状態にしていきます。
基本的には以下の2ステップで日本語入力可能になるので、頑張ってついてきてください。
- latexmkrcファイルを作成
- コンパイラを『LaTeX』に変更
① : latexmkrcファイルを作成
まずは日本語設定を行うために、latexmkrc
と呼ばれるファイルを作成します。
赤枠の左上のファイルマークをクリックしてください。
次に、『New File』から『latexmkrc』ファルを作りましょう。
その後、作成したファイルに以下を入力してください。
$latex = 'platex';
$bibtex = 'pbibtex';
$dvipdf = 'dvipdfmx %O -o %D %S';
$makeindex = 'mendex %O -o %D %S';
$pdf_mode = 3;
これで、『latexmkrcファイル』は完成です。
*詳しい方は適当にlatexmkrcファイルの内容をカスタマイズしてください!
upLaTex + dvipdfmxを利用したい方は、latexmkrcファイルに以下のように入力してください。
$latex = 'uplatex';
$bibtex = 'upbibtex';
$dvipdf = 'dvipdfmx %O -o %D %S';
$makeindex = 'mendex -U %O -o %D %S';
$pdf_mode = 3;
② : コンパイラをLatexに変更
次にコンパイラを『Latex』に変更しましょう。
これだけで、日本が入力できるようになります!
一応確認しておきます。
新しくファイルを作成して、以下のコードをコピーしてください。
\documentclass[autodetect-engine,dvipdfmx-if-dvi,ja=standard, 12pt, a4paper]{bxjsarticle}
\title{sample}
\author{Author}
\begin{document}
\maketitle
\section{Introduction}
日本語が書けます。
\end{document}
作成後、コンパイルしてみてください(Mac : ⌘ + S or Windows : Ctrl + S)
無事、日本語が表示されば完了です!
お疲れ様です。これで、基本的な設定は終了です。
\documentclass
のオプションと引数について簡単に説明します。
日本語文書の場合、引数は以下の4つが一般的に使用されます。
- (bx)jsarticle : レポート
- (bx)jsslide : スライド
- (bx)jsbook : 書籍
- (bx)jsreport : 論文や(長めの)レポート
先頭にbx
をつけることで、どのlatexのエンジンでも利用することができます。
また、使用したオプションは以下の通りです。
autodetect-engine
: どのエンジンでも対応可能になるdvipdfmx-if-dvi
: 必要な場合のみdvipdfmxを利用するja=standard
: 日本語を標準設定にする(目的に応じて変更してください)a4paper
: 用紙サイズ(目的に応じて変更してください)12pt
: フォントサイズ(目的に応じて変更してください)
最初の二つに関しては、おまじないだと思っていてもOKです!
Overleafのショートカットキーについて
Overleafの便利な『キーボードショートカット』を紹介していきます。
必要不可欠ではないですが、使えると作業が超効率化します(少なくとも私は紹介する全てのショートカットを超頻繁に使用しています)
より詳しい説明は下記を参考にしてください。
下記の表に、よく使用する便利なショートカットをまとめました。
Windows | Mac | |
---|---|---|
Ctrl + S | ⌘ + S | コンパイルを実行する |
Ctrl + / | ⌘ + / | コメントアウトを表示する |
Tab | Tab | インデントを加える |
Ctrl + B | ⌘ + B | \textbf(太字) |
Ctrl + I | ⌘ + I | \textit(イタリック) |
Alt + ↑ or ↓ | ⌥ + ↑ or ↓ | ↑で現在の行を上に移動 ↓で現在の行を下に移動 |
Ctrl + D | ⌘ + D | 現在の行を削除 |
このショートカットを使用することで作業を大幅に効率化することができます。
*コピーや貼り付け等の簡単なショートカットは省略しました。
Overleafでbibファイルを使用する
bibファイルを使用することで、引用文献を高速かつ簡単に管理することができます。
基本的には、通常のLatexと同じ手順で作成していきます。
- bibファイルを作成する
- texファイルに読み込む
『bibファイルってなんだ?』という方は下記の記事がわかりやすいので、一読してから本記事を読み進めると良いです。
BIBTeXファイルについて
BIBTeXファイルとは、参考文献を記述をめちゃめちゃ楽にしてくれるファイルです。
具体的には、参考文献をデータベースとして管理して、いつでも参照できるような機能を持ちます!
具体的にbibファイルを作成してみましょう。
下記のようなファイルを作成してください(拡張子を『.bib』にすること)
面倒な方は、下記をコピーしてください。
@article{sample,
title={Title},
author={Author name},
journal={Journal name},
volume={100},
number={100},
pages={100},
year={2999},
publisher={Publisher name}
}
このファイルを以下のように入力することで参考文献をbibファイルから引用することができます。
\documentclass{article}
\title{sample}
\author{Author}
\begin{document}
\maketitle
\section{Introduction}
日本語が書けます。
% 本文中で引用
私は、\cite{sample}を引用します。
% 本文中の参考文献を出力したい位置に設置する
\bibliography{sample} % 拡張子を外したbibファイル
\bibliographystyle{plain} % 参考文献出力のスタイル
\end{document}
手動で入力するより、はるかに簡単なので習得しておくことをおすすめします。
Overleafでstyファイルを使用する
Overleafは通常のLatexと同様に、styファイルを使用することができます。
styファイルとは、自作コマンドやパッケージをまとめて管理するファイルです。
詳しい内容は下記を参考にしてください。
styファイルを作成
まずは、適当なスタイルファイルを作成していきます。
『sample.sty』というファイルを作成して、以下を入力してください。
\usepackage{amsmath} % 数学フォント
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx} % 画像の読み込み
\newcommand{\Div}{{\rm div}} % 自作コマンド
次に、説明する画像読み込みのため、画像読み込み用のパッケージ(graphicx
)を読み込んでおきます。
このファイルをTexファイルから以下のように読み込むことで、styファイルで作成したパッケージが使用できます。
\documentclass{article}
% styファイルを読み込む
\usepackage{sample}
\title{sample}
\author{Author}
\begin{document}
\maketitle
\section{Introduction}
日本語が書けます。
\begin{figure}[ht]
\centering
\includegraphics[width=5cm]{mnist.png}
\caption{sample}
\label{sample_image}
\end{figure}
% 本文中で引用
私は、\cite{sample}を引用します。
% styファイルに記述した関数が使える
\begin{equation}
\Div f(x)
\end{equation}
% 本文中の参考文献を出力したい位置に設置する
\bibliography{sample} % 拡張子を外したbibファイル
\bibliographystyle{plain} % 参考文献出力のスタイル
\end{document}
これで、パッケージの管理もバッチリです。
Overleafの画像挿入方法
ここでは、Overleafを用いて、画像を挿入する方法を説明していきます。
具体的には以下の2ステップで画像を挿入できます。
- Overleafに画像を読み込む
- texファイルから画像を読み込む
Overleafに画像を読み込む
overeleafに画像を読み込んでいきます。
まずは、サイドバーのアップロードボタンをクリックしてください。
ドラックアンドドロップまたは、『Select from your computer』をクリックして画像ファイルをアップロードしてください。
今回は、具体例として『mnist.png』という画像をアップロードしました。
次に、このデータをtexファイルから読み込みます。
texファイルから画像を読み込む
読み込んだ画像を表示するためには、以下のように入力します。
\documentclass{article}
% styファイルを読み込む
\usepackage{sample}
\title{sample}
\author{Author}
\begin{document}
\maketitle
\section{Introduction}
画像の表示.
\begin{figure}[ht]
\centering
\includegraphics[width=5cm]{mnist.png}
\caption{sample}
\label{sample_image}
\end{figure}
\end{document}
上記のコードで画像を読み込むことができます。
Overleafのプロジェクト共有方法
Overleafは、プロジェクトを第三者に共有することができます。
共有方法は、以下の二つです。
- メールアドレスによる共有
- URLによる共有
詳しく解説していきます。
メールアドレスによる共有
まずは、メールアドレスを使用して共有する方法を説明します。
まずは、画面上部の『共有』をクリックしてください。
赤線部分の『共同編集者と共有』の部分に共有したい方のメールアドレスを入力しましょう。
その後、『編集可能』をクリックし権限を選択し、共有ボタンを押してください。
これで、共有は完了です。
URLによる共有
URLによる共有方法を解説していきます。
下記の画面にアクセスするところまでは共通です。
『Turn on link sharing』をクリックしてください。
共同で編集したい方には、『Anyone with this link can edit this project』に該当するリンクをシェアしてください。
読み込みのみ権限を与えたい方に、『Anyone with this link can view this project』に該当するリンクをシェアしてください。
GithubやDropboxとの連携
有料版を利用すれば、GIthubからプロジェクトをインポートし、pull/pushが可能になります。
具体的には、下記のメニュー画面の同期という場所からGithubやDropboxと連携することができます。
これで共有方法の説明は終了です。
参考資料
本記事を作成するために使用した参考文献および参考サイトをまとめます。
参考文献
参考文献に関しては、下記の記事で紹介している入門書を使用しました。
どの本も、より快適なLaTeXライフを提供してくれる素晴らしい本です!
参考サイト
参考サイトを以下にまとめます。
まとめ
Overleafを使って書類を作成する方法を徹底的に説明しました。
具体的には、本記事で以下の操作が可能になりました。
- Overleafの登録
- Overleafのプロジェクト作成
- Overleafで日本語を使用
- Overleafのショートカットを使用
- bibファイルを使用
- styファイルを使用
- 画像を挿入
- 第三者に共有・GithubやDropboxと連携
本記事の内容を実践すれば、日本語を使用して効率的にLaTeXで書類を作成することができます。
快適なLatex文章作成ライフを楽しんでください。
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